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香りの歴史


 

芳香の歴史

紀元前約18,000
 南フランス、ラスコ洞窟の壁画:
   イカ墨と黄粘土で植物を治療に使用している壁画


香りの歴史


 新石器時代:
   不揮発性油(今でいうキャリアオイル)、圧搾法によって抽出されたオリーブ、亜麻、ゴマを使用。
   しかし、時間の経過とともに匂いが悪くなるため薬草を入れ、髪や体にすり込んでいた。

古代エジプト BC2,800
 パピルス文書に薬草の用法についての記述が見られる。
 祈り、宗教儀式、治療が行われていた。これら、魔術(呪文・祈り)としての使用があり、香料と宗教の深いつながりがありました。
 薫香として用いられ、乳香没薬、シダーウッドの皮、キャラウェイの種、アンジェリカ・ルートが含まれていました。
 特に、乳香と没薬は儀式で神聖な雰囲気を作るために使われていたため、神聖なものでした
香りの歴史

    乳香:太陽の神ラー。
         フランキンセンス。
         甘い、スウィートな香りという意味があります。

    没薬:月の神
         ラテン語の『ミラルバ』は苦いという意味があります。


BC15C

 エーベルス古文書に、薫香や香油の使用についての記述が見られます。
         
使用された香料:
             没薬、乳香、シダーウッド、オレガノ、ジュニパー、コリアンダー、ショウブ

        浸出油:
             オリーブ油、アーモンド油、ゴマ油、ピーナツ油などのベースオイルを温め、花や香草を浸して保留剤に樹脂や蜂
             蜜 を加えて作ります。
             
香油として体に塗ったり、薫香として神々の目覚めの儀式として使用しました。
         
用途:毎朝神々の身体に塗っていました、香油。
        アンフルラージュ:
            動物性の脂肪にジャスミンやチベローズなどの花の香りをしみこませたものを円錐形の香膏にして使っていた。

BC1350
 ツタンカーメン王の墓から香膏壷発見(1922)

香りの歴史

   乳香、シダーウッド、安息香、没薬が、発見され、300年以上経過しているにも関わらず、中身も香りも残っていました。動物性脂
    肪 は90%、バルサム・液状樹脂が10%の割合。

   シダーウッド油の蒸留抽出説-蒸留法の原型:薬、化粧品(髪や体につける)、パピルスの防虫用。
                            @土器にシダーウッドの木片を入れ、厚めのウールでふたをして火にかけます。
                            Aウールに薫香成分がうつります。
                            Bウールを絞って抽出する。

  ミイラの防腐処理:
    没薬は死者の霊魂が肉体に戻るように、シダーウッド、クローブ、シナモン、ナツメグは詰め物や包帯(麻布)を浸すものとして
     使用されました。

      @心臓以外の内臓を取り出してヤシ油で清める。これは神が善悪を天秤にかけるという神話です。
      A詰め物をして23週間薬草水につける。
      B麻布で巻く。

BC1C

香りの歴史 プトレマイオス王朝最後の女王クレオパトラは大量の香料(バラの花・動物性香料・キフィ)を効果的に使用していました。
 例えば、ベッドルームに40cmもノバラを敷き詰める、バラ風呂、全身にキフィを塗布するなどで、1回の使用に\200,000-も使っていたそうです。

          動物性香料:
                ムスク(麝香鹿のオスの生殖腺分泌物)、シベット(ジャコウネコの生殖腺分泌
                物を牛の角につめて作られる
                「霊猫香」)

          キフィ:古代エジプトで最も有名な16種類の材料からなる調合香料。
                
(ショウブ根は麻酔作用として、カシア桂皮、シナモン、ペパーミント、没薬、レ
                 モングラス、ピスタチオ、ジュニパー、アカシア、ヘンナ、レーズン<・ワインな
                 ど)

          用途:薫香、鎮静剤、儀式時の香膏

古代中国・インド
 古代エジプトとほぼ同時期に、植物が治療目的に使用されていました。

BC3000
 中国の「黄帝内経」に薬草医学についての記述がありました(けしやしょうがなど)。
 針とともに、宗教儀式にも使用されていました。
 インドのヴェーダ文学、後にアユールヴェーダへ進歩します。
 サンダルウッド、ジンジャー、没薬、シナモン、コリアンダーなど700種以上が使用されました。

                            香りの歴史


古代ギリシャ
 古代エジプトからの知識を用いた香油と香膏の使用法をいっそう発展させ、化粧品や薬品として使用していました。
 健康のために香りが活用され、一般市民に香料の熱狂的ブームとなりました。
 ワインにバラやミルラを入れ、体にすり込んでいたそうです。

BC460370
 ヒポクラテス:
     医学の父と呼ばれ、300種の植物を紹介しました。
     女性疾患に芳香風呂、マッサージ、湿布、芳香植物をいぶすなどの方法がすすめられました。

1C
 学者ディオスコリデス:
     何百種もの植物や芳香素材を研究。
     ハーブ医学についての論文「マテリア・メディカ」を残し、西洋医学の参考文献となりました。
         ex)マージョラムの鎮静作用
           サイプレスの収斂作用
           ジュニパーの利尿作用

 調香師メガルス:
     ギリシャで有名な香水メガレオンはミルラ、シナモン、カシアは皮膚の炎症、傷の治療にも使われました。

古代ローマ
 ギリシャ人にも増して香りを楽しむ文化が発達し、おしゃれや騎士たちの士気を高めるために香料が大量に使われました。
 3タイプの香料の使い分けがなされていました。
レディスマタ 固形のクリーム状
スティマタ 香油
ディアパスマロ 粉上のもの


BC100AD400

カラカラ皇帝のカラカラ浴場(公共浴場):
   香油、香膏塗布、香油マッサージが行われていた。
   貴族の社交場(テルミの中)だった。
   お風呂は大理石、金、銀でできていました。
   1日に3回入浴し、4段階の温度があり、1番熱いものに香りがつけられていた。
 主に使われた香膏:
   バラとスイセンがブレンドされずに使われていた。
 スシヌム=スシノン:
   調合香料・・・ユリ、ショウブ、サフラン、シナモン、没薬、蜂蜜を混ぜたもの。
   薬草の治療効果がアップし。騎士が拾ってきた種によりイギリス等へひろまりました。
香りの歴史


アラブ地方

10C
 アヴィケンナ(イブン・シーナ):
   蒸留法技術を完成させ、初めて冷却コイルを用い蒸留過程を効率化し、純粋な精油と芳香水の抽出に成功しました。
   1回目はrosa centifolia  精油とローズウォーター抽出しました。

11C13C
 十字軍の遠征:
   十字軍の騎士によりローズウォーターや香料、薬草に関する知識がアラビアからヨーロッパへもたらされた。ローズは1番人気
    があった。

   胃の不調をローズウォータにより治療され、ひろがりました。

中世ヨーロッパ
14C中頃
 ハンガリーのエリザベート王妃
   ハンガリーウォーターは、オーデコロンの原型です。
   アルコールと精油の混合で、ローズマリー、ペパーミント、バラの花びら、レモンピール、オレンジエッセンス、ローズエッセンス、
    アルコールなどが入っていた。

 リザベート王妃:
  70歳でポーランド王(50歳)に恋をし、若返りのために使用したところ見事求婚したそうです。

14C17C
 ヨーロッパ各地にペスト大流行:
   燻蒸消毒によって、ねずみが運んできたノミを駆除しました。(ローズマリー、乳香、パイン、ブラックペッパーなど)
   
オレンジやレモンのポマンダー、香料入りキャンドルの使用されていました。

14C16C
 ルネッサンス期:
   精油がいっそう普及し、薬剤師たちにも浸透していきました。(シダーウッド、シナモン、乳香、ローズ、ローズマリー、セージなど)
   ベネチアガラス使用により、イタリアが香料の中心になりました。

16C中頃
 イタリア フィレンツェの名門メディチ家のカトリーヌ・ド・メディチ
   イタリアの香料文化がフランスへ広まる。(専属の調香師を伴い、フランスのアンリ2世のもとに嫁いだことから。)
 カトリーヌ・ド・メディチ:
   香りつき手袋(ムスク使用)

15C17C
 様々な薬草の本が出版:
 「グレート・ハーバル/大薬草誌」(1526):
   薬用植物油の使い方を記されていました。
 「カルペッパーの薬草誌」(1653):
   イギリスの占星学者でもある医師ニコラス・カルペッパーがカルペッパーハウスを設立しました。
 「医師の傑作 −意思の美容に関する巻」(1,660):
   これはレシピ集です。
 「調剤要諦/ディスペンサトリー」(1696):
   脳卒中用香膏、記憶喪失用ブレンドなどが載っていました。

イタリア
17C

 ネロラ公国アン・マリー公妃:
   『ネロリの手袋』
   ビターオレンジの花を、皮の臭い消しに使用したことが由来となっています。
   皮の手袋の香りづけにこれまでは動物性香料を使用していましたが、初め
   て精油(植物性香料)を使用。
香りの歴史

 イタリアの調香師がつくった‘不思議の水’(アクアミラビリス):
   レモン、ベルガモット、ラベンダー、オレンジ、ローズマリー、ネロリなどが、ワインから得られる高純度のアルコールで希釈された
    もの。

   これは、薬としてのオーデコロンでした。
   お肌にも胃腸にも効くとされていたそうです。

18C
 ドイツのケルンにアクアミラビリスが紹介される。

18C
 フランスへ‘ケルンの水’(フランス語でオーデコロン)と紹介される。

フランス
18C19C
 ルイ15世〜16世の時代:
   マリーアントワネットなどがベルサイユ宮殿でジャスミン、ヒヤシンス、カーネーションのポマードとポプリなどの香料を大量に使用
    していました。
   ポマードはお肌の保湿剤として使われていました。


19C
 ナポレオン:
   オーデコロン(ケルンの水)を愛用していました。これは洗顔にも使用できるものでした。
    4711・・・戦争中に兵士たちにやる気を起こさせるため、支給したオーデコロン。男性的な香り。
          (ベルガモット、レモン、オレンジ、ラベンダー、ローズマリー、マンダリン、ジャスミン、ローズ、イランイラン、
            シダーウッド、サンダルウッド)

         名前「4711」はオーデコロンが売られていたお店の番地です。

                           香りの歴史

科学革命
19C
 有効成分の分離に成功しました。
 化学によって、精油の様々な成分の識別が可能となりました。
 ゲラニオール、シネオールなどの化学名が付けられました。

19C
 オイルの合成化学の誕生により低コスト化が実現。
 また、大量生産と品質の一定化もまた可能となりました。これは、自然では不可能なことです。
 自然療法から医薬品へ移行のとき。
   ◎抗生物質(魔法の弾丸)の出現で自然療法が衰退!

20世紀
 1928. 
 フランスの科学者
ルネ・モーリス・ガットフォセ
   アロマテラピーという言葉をつくり、「アロマテラピー」を発表。
   精油は個々の成分を分離しないほうが効果的だと発見しました。
   実験中の事故で火傷をし、それをラベンダーオイルで治療したことがきっかけ。
   1次世界大戦でも使用され、皮膚の吸収速度を実験されました。

 1964. 
 フランスの元軍医である科学者
ジャン・バルネ博士
   「アロマテラピー」を出版。
   その他数々の論文を発表。
   主に精神医療に使用され、殺菌・消毒作用において無害であると絶賛されました。
 オーストラリア出身フランスの生化学者マルグリート・モーリー夫人
   「生命と若さの秘密」英訳出版。
   これは、教え子のエステティシャンが紹介され、現在も弟子がロンドンでサロンをしているそうです。
   精油と美容術について研究し、エステ(若返り術)を発展させました。

1950年代後
 モーリー夫人の功績により、精油を使ったマッサージが‘アロマテラピー’という名でイギリスに紹介されました。
 香油を使用したものはありましたが、「アロマテラピー」という名前がついたのは初めてでした。

現代
      ストレス社会の中で、心身両方のケアの重要性!
       
これをホリスティック療法といい、アロマテラピーを含む自然療法が再注目されています。



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